屋久島(鹿児島県)?苔むした森と巨木の島

山・森・里・海を川がつないでいる風景 水の循環・命の循環

地表や木々を覆う苔むした森、樹齢1000年を超える杉の巨木が林立する空間は、神秘的な雰囲気をかもし、人々を惹きつけます。

苔むした森の写真

苔むした森の写真

エリア紹介

屋久島は北緯およそ30度(エジプトのカイロ・アメリカのニューオリンズとほぼ同じ緯度)で鹿児島市から130km南に位置する面積504.29?のほぼ円形に近い五角形の島です。島の90%が森林であり、21%がユネスコの世界自然遺産に登録されています。

島は1,550万年前に海底火山でできた花崗岩が隆起して形成され、九州最高峰(1936m)を有します。気候・気象は黒潮に大きな影響を受けており、赤道近くであたためられた海水は屋久島の南端部にぶつかり、太平洋へと抜けます。この暖かな海水と高い山は多くの雨をもたらし、屋久島の特徴を決定づけています。激しい雨で浸食された花崗岩は渓谷美をつくり、山頂部では岩塊や林立する岩塔を見ることができ、私たちを楽しませてくれます。また沿岸はサンゴ礁の北限海域となっており、目と舌で豊かな海を味わうことができます。

体験できるアクティビティ

屋久島には山・森・川・海を遊び尽くすエコツアーメニューがたくさんあります。

イチオシ!:西部照葉樹林?亜熱帯の野生王国

屋久島が世界遺産に登録された際に高く評価されたのが、亜熱帯ジャングルの様相を呈する海岸線から、照葉樹林、屋久杉林、さらにはまるで冷温帯のような森林限界を超えたヤクザサ帯まで、植生の垂直分布が島の中にコンパクトに残されている点です。しかし海岸近くの亜熱帯の森は人が住む場所でもあるため、ほとんどの地域で失われつつありますが、その貴重な亜熱帯の森がかろうじて残っているのが西部林道一帯の森です。
特に目を引くのが奇怪な姿をする「ガジュマルやアコウの巨木」たちです。また一年中亜熱帯植物が繁茂する低地の森は、「ヤクザル・ヤクシカ」にとっても最も住み心地の良い森です。餌付けされていない野生動物の姿をここほど間近に観察できるのは、他にないでしょう。
渡りの季節には、バードウォッチャー垂涎の「ヤツガシラやギンムクドリ」など珍しい野鳥が訪れるのもこの地域の特徴です。
また「展望大岩」からの絶景は円い水平線が東シナ海の雄大なスケールを感じさせます。

フォレストウォーク

ヤクスギランド?小花山の森

ヤクスギランドは、美しく苔むした林床に圧倒的な迫力を持つ屋久杉が林立し、これぞ屋久島という美しい景観を見せてくれます。天柱杉、ひげ長老、母子杉、仏陀杉といった銘木はもちろん、杉の純林が広がる美しい小花山の森は、まさに「もののけ」が棲む森そのものです。

ヤクスギランド

ヤクスギランド

日帰り登山

黒味岳(1831m)コース

黒味岳山頂は屋久島の主稜線を眺める絶好の位置にあります。屋久島の主要な高山の花は黒味岳に揃っており、6月にはシャクナゲの花が一面に咲き誇ります。登り始めは世界自然遺産に登録されている屋久杉原生林から始まり、美しい渓流、高層湿原、森林限界を通り、山頂を目指します。

シャクナゲ

シャクナゲ

太忠岳(1497m)コース

この山の最大の魅力は山頂に聳える高さ40mにもなる岩の柱、天柱石です。その姿は神々しいまでの迫力でわたしたちに迫ってきます。山頂からは、東には遠く安房の町並みや種子島が見え、西には奇岩の岩峰花折岳、遠く高盤岳、黒味岳を眺めることができます。

天柱石

天柱石

リバーカヤック(安房川)

安房川は屋久島最大の河川です。河口であるにも関わらず澄み切った水が流れていて川面に映る照葉樹の緑(特に新緑)は得も言われぬ美しさです。川遊びの道具のひとつとしてカヤックを使い、釣りやスノーケリング、中洲での焚火料理、昼寝など自在に川を楽しんでいただけます。

この他、川でのアクティビテイには「沢登り」「チューブラフティング」の各コースがあります。

カヤック風景

カヤック風景

海を楽しむエコツアー

多様な生物相をもつ屋久島の豊かな自然は、海の中までも続いています。

世界的な魚種確認コンクール「フォトデュポアソン」で3年連続優勝した屋久島の海はたくさんの種類の魚がいます。スキューバダイビングはもちろん、スノーケリングでも充分フィッシュウッチングができます。毎年産卵に訪れるウミガメに海中で出会うこともあります。

この他、「パドルスノーケリング」「シーカヤック」の海メニューもあります。

ウミガメ

ウミガメ

島の暮らしや文化

屋久島は古来より海に向かって開かれていた島です。その海を渡って来た人々が住み着いていくつもの小さな集落をつくりました。目の前は海、後ろは急峻な山で土地も岩盤のため田んぼは少なく、米はほとんどとれません。しかし温暖な気候と豊富な水があるので小さな畑で野菜を作り、山で竹の子や木の実をとり、海からは魚や貝を採る「山10日、畑10日、海10日」が基本的な生活でした。今でも山・畑・海の恵みを得た時には「お裾分け」として近所に配ります。競争で勝ち抜く必要よりも分け合う精神が尊重されてきました。

現在も自然の恵みを活かして、トビウオ漁、サバ漁が行われ、薩摩芋、お茶、ウコン、かんきつ類が栽培され、それらを利用した魚のすり身やサバ節、焼酎、ウコンサプリ、緑茶や紅茶を生産し、スギやクスノキからはアロマオイルを抽出しています。

半日をどう過ごしたらいいかと考えているお客様には、寄港地である宮之浦を散策することをお勧めします。「環境文化村センター」「歴史民俗資料館」「益救神社」「久本寺」を散策します。ガイドと一緒に歩くと楽しさは30倍です。可能なら夕方6時前に「久本寺」に行きましょう。毎日希望者6名に鐘を撞かせてくれます。

おいしい食べ物

宿で食べることができる食事で一番人気はトビウオの姿揚げです。民宿のおかみさん達はプロの料理人ではありませんが、刺身や天ぷら、季節の野菜料理の下ごしらえや盛り付けは繊細で丁寧です。地元の焼酎にはやはり屋久島の水が合います。水割りでもお湯割りでも、またストレートでもさっぱりとおいしいお酒です。

シカ肉料理・・・シカ肉は昔から屋久島の人々の重要なタンパク源でした。特に鉄分が多いので産前産後の女性には必ず食べさせたそうです。そのシカ肉がようやく流通可能になり、島内のレストランではシカ肉料理を提供しはじめています。体の小さな屋久島のシカ肉は柔らかく旨みが凝縮しています。ローストやハンバーグ、焼き肉、タイ風ラーメン、シカ肉丼、スパイシーカレーなどのメニューがあります。

お茶・・・無農薬で栽培されています。1番茶は緑茶になり2番茶・3番茶は紅茶に加工されます。緑茶の葉で作られた紅茶は味がやわらかく香りは花のような甘さがあります。ティーポットに入れたままの2杯目でも渋みがありません。

モデルプラン

1日目 里のエコツアーで「環境文化村センター」「歴史民俗資料館」「益救神社」「久本寺」など屋久島の自然文化について散策する
2日目 エコツアーで「屋久杉ランド」を1日かけて屋久杉の森をじっくり楽しむ
3日目 エコツアーで「西部林道」の世界遺産エリアの照葉樹林でサルやシカの生態を観察する

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