小笠原諸島(東京都)

イルカ、クジラ、亜熱帯の森、ユニークな固有種など、船でしか行けない絶海の孤島に暮らす生き物たちに出会う

大陸と一度も陸続きになったことが無い小笠原諸島は、独自の進化を遂げた固有な生き物の宝庫。世界でもここだけに生育している生物が数多く知られています。ハハジマメグロやアカガシラカラスバトなどの鳥類、哺乳類ではオガサワラオオコウモリ、昆虫ではオガサワライトトンボなど、そして、カタツムリなどの陸産貝類は、生息する106種のうち100種が固有種(固有種率94%)です。その特異な自然は2011年6月にユネスコの世界自然遺産に登録されました。

エリア紹介

ザトウクジラのジャンプ

ザトウクジラのジャンプ

東京から南へ1000キロのところに位置する絶海の孤島・小笠原諸島。飛行機でのアクセス手段は無く、船で25時間半かけていきます。25時間半の船旅では、船上デッキで流れる雲を見たり、トビウオが船に驚いて何十メートルも飛んでいくのを見たり、海に沈む夕日を眺めたりという楽しみがあります。船は定期船が6日に1回運航のため、最低でも5泊6日が必要となります。

小笠原諸島は大小30余りの島々で構成され、人が暮らしているのは父島と母島の2島です。父島の広さは約24平方キロ、登頂可能な一番高い山は319m、人口は約2,000人で、東京からの船は父島の港に入ります。母島へは父島から船で2時間10分、人口は500人ほど。

気候は年間を通じて温暖で(年平均気温23℃)、気候帯では亜熱帯に含まれます。
小笠原の歴史の中で特筆すべきは、第二次世界大戦後、米軍の占領下に置かれ、1968年に日本に返還されたことです。23年にわたる米軍の統治は、他の離島や地方にはない明るくあか抜けた雰囲気を小笠原に残しました。若者が多く活気があるのも特徴です。

体験できるアクティビティ

イチオシ:シュノーケル&ドルフィンスイムツアー(父島・母島)

ビーチで泳ぐのも良いけれど、もっと小笠原の海を知るために、ボートでしか行けないガイドオススメのシュノーケリングスポットへ出かけます。魚や珊瑚の多い透明度の高い、美しい海でシュノーケリング。
小笠原では野生のイルカと泳げます。イルカを驚かさないようにゆっくり泳げばイルカの方から寄ってくることも。野生のイルカと目が合った時、自然と優しい気持ちになれます。

ホエールウォッチング(父島・母島)

ボニンブルー、小笠原の独特な海の色の事をそう呼んでいます。その青い海で1月?5月にはザトウクジラを観察し、マッコウクジラは一年中見られます。波間に上がる大きな噴気、深海に潜るときに見せてくれる立派な尾びれを探しながら、小笠原の海を存分に味わってください。運が良ければザトウクジラの豪快なジャンプなども見られます。

ナイトツアー(父島)

夕暮れと共に動き出す天然記念物のオガサワラオオコウモリを探しに。餌を探しに飛んでいくオオコウモリをご覧いただける可能性があり、近くに留まってくれれば餌を食べたりする可愛い姿も観察できます。
また、闇夜の中で光るキノコ「グリーンペペ」を探してみたり、夜行性の生き物探しもしてみましょう。
絶海の孤島ならではの本当の暗さの中で感じる星空や月の自然の光もナイトツアーの魅力の一つです。

オガサワラオオコウモリ

オガサワラオオコウモリ

グリーンペペ

グリーンペペ

サンゴで出来た無人島・南島上陸ツアー(父島)

南島は隆起サンゴ礁で、海水で浸食されたのち沈んで形成された「沈水カルスト」という地形です。周辺には先端が鋭い石灰岩の石柱「ラピエ」が点在するほか、「ドリーネ」と呼ばれる、鍾乳洞が崩れて窪地になった3つの池があります。
ドリーネの一つ扇池周辺の白い砂浜にはたくさんの陸産貝類の殻が散乱しています。これらはおよそ1000年前に絶滅した、ヒロベソカタマイマイの半化石です。今は絶滅してしまいましたが、これも小笠原の固有種で、辺りにはかつて森があったとも言われています。
また、南島はカツオドリの繁殖地で、4月頃に飛来して6?7月に雛が生まれ、9?11月には巣立っていきます。人間が近づけない断崖ですが、繁殖期には鳴き声が周囲ににぎやかに響き渡ります。
※11月上旬から2月上旬(年末年始をのぞく)は植生回復のため南島への入島は禁止されています。

南島の扇池

南島の扇池

大型のシダ植物が繁茂する森を歩くネイチャートレッキング(母島)

石門(せきもん)山を中心とした大型のシダ植物が繁茂する深い森は、湿性高木林を主体とした原生性の高い重要な地域で、まるで太古の恐竜の時代を想像させます。極めて貴重な母島だけの固有の植物が生育しています。
中でも珍しいのがオガサワラオカモノアラガイというカタツムリの仲間で、大きさは1.5cm程度、まるでゼリーみたいな陸貝で、母島特有の雲霧林に生息することで乾燥から身を守る必要がなくなったため殻が小さくなったと言われています。
石門一帯は、その希少性からガイドの同伴が義務付けられ、1人のガイドが案内できるのは5人まで、1日の入山者は50人までと、厳しい入山制限が設けられています。
※アカガシラカラスバトの繁殖期である10月?2月は入林禁止、3月は尾根ルートのみ入林可となっています。

モデルプラン

1日目 船中泊
2日目 小笠原に到着
3日目 森のトレッキング1日ツアー
4日目 ドルフィンスイムツアー
5日目 ナイトツアー
6日目 母島へ
7日目 母島・森1日ツアー
8日目 母島・ホエールウォッチング
9日目
10日目
11日目 午後・出発、船中泊
12日目 午後・到着

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